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1975年から作品を作り始めました。
手描きによる小さな楕円形でキャンバスをおおい尽す作品。ガンスプレーとマスキングシートを使った型抜きの手法による同種の作品。市販の方眼紙にグリッドやストライプの線を施し、円形、方形、三角形などに型抜きした紙チップを重ね合わせて、再びグリッドやストライプの表面を得る作品。シルクスクリーン印刷による同種の作品。壁にかけられた立体表面を、シルクスクリーンによる蛍光色も含む多色の楕円形厚紙チップでおおい尽す作品。パネルに小楕円形厚紙チップを同一方向に貼り詰める作品。
その時々の興味の向かうままに作品を作りつづけて来ました。

<近年の作品について>
作品の制作はシルクスクリーンで彩色された小円形の厚紙チップを、パネルにすき間なく貼り詰め新たな平面を得るところから始まります。
その平面上でひとつの小円形を点と見たて、点を連ねて線とし、線を束ねて面とします。
点の増幅系も含めそれらの点、線、面を示す色の違いのみで作品は成り立っています。
あらかじめの構想、下図のようなものはなく、壁に掛けられた平面上のチップの色をピンセットで入れ換え続けることで、制作はいつのまにか始まり進んでいきます。
壁にかけられた四角い画面が目の前のひとつの風景であるかのように、ただ眺められ、ただ見つづけられ、気持ちのよいものになった時に作業を止め作品とします。

私にとって作品を作ることは、新たな風景に出会うための静かな小さな旅のようなものかも知れません。
風景を見るかのような目で作品画像を楽しんでいただけましたら幸いです

2023年8月 福村君雄